Fere libenter homines id quod volunt credunt.
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ジョコジョコの奇妙な冒険
2007年04月02日 (月) | 編集 |
優勝おめでとう

ジョコジョコ

Novak Djokovic

@Yahoo!sports



男子 決勝

⑩Novak Djokovic(SRB) 6-3 6-2 6-4 Guillermo Canas(ARG)

ジョコジョコにとって、最後の決戦がやってきた。前回のAMSは決勝で敗れた。自分のプレーができなかった。できそうになったときはもう遅かった。相手がマスターズシールドを高々と掲げるのを、遠くで見ているしかなかった。しかし、この経験が、この日のジョコジョコの力となった。

立ち上がりはお互いサーブをキープしてスタートしたものの、第3ゲーム(だったっけ?忘れた)で早くもカニャスにピンチ到来。サーブゲームで0-30と遅れをとり、さらに次のセカンドサーブ、なんと「フットフォルト」の判定。今までフットフォルトはとられたことがないというカニャス。それが、この決勝戦の最初のブレイクピンチを生み出す場面でやってきてしまった。
「なっ!何をするだァーッ!ゆるさんッ!」(注)
怒り心頭で主審に抗議するも、判定は当然覆らず。そして結局ジョコジョコがブレイク成功。

それからのジョコジョコはすさまじい攻撃をみせた。早い攻めと厳しいコースをついて、ストロークが得意なカニャスをそのストロークで圧倒。ウィナーが炸裂する。
「「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!刻むぞ血液のビート!山吹色(サンライトイエロー)の波紋疾走(オーバードライブ)!!」

まさに波状攻撃で次々とゲームを奪っていく。そして第1セット先取に成功。

第2セットもジョコジョコのペース。
「おああああ!くらえ!波紋疾走!」
ドロップショップもよく決まり、カニャスにペースを握らせません。そして、ワンチャンスをものにしてまたしても先にブレイク成功。
しかし、第6ゲームで転機が訪れる。センターにボールを返すカニャスに対してジョコジョコがミスを連発。デュースにもつれるゲームとなった。
「波紋?波紋疾走だとォーッ!」
ネットに突進するジョコジョコに対してより鋭いパッシングショットをお見舞いするカニャス。ドロップショットにも追いついてジョコジョコの裏をかくロビング。これまでカニャスが勝ちあがってきた粘りが、徐々にジョコジョコを苦しめ始める。
「いかァんッ!ああ大変なことに!絶対にまずい!」

必死でブレイクピンチをしのぐジョコジョコ。カニャスも破れそうでなかなかジョコジョコのサービスを破れない。そしてついに、ジョコジョコが渾身の力を振り絞って打ったダウンザラインが、見事ウィナー!

窮地を乗り切ったジョコジョコはまたひとつ強さを増し、逆に次のゲームはまたもやブレイクチャンス。そして苦しむカニャスを尻目に、自分はきっちりチャンスをものにし、5-2と圧倒的優位を確立した。

第3セットに入ったころから、カニャスが左足の痛みを訴えはじめる。これまでぎりぎりの苦しい戦いをつづけていた。予選からずっと戦ってきた疲れが出始めていた。しかし。「俺は…黒騎士ギジェルモ、これしきの痛みッ!へこたれぬわッ!」と、なんどもジョコのエース級のボールに食らい付く。サービスを必死でキープして最後の望みをつないでいく。

「フフフ…この『痛み』こそ『生』のあかし。この『痛み』あればこそ『喜び』も感じることが出来る」。

しかし、第9ゲーム、ついにカニャスが力尽きるときがきた。30-30から、自らのダブルフォルトでまたしてもブレイクピンチ到来。
「死んじゃだめだよ、ガンバルんだよ!」。
観客が必死でカニャスを援護する。しかし無常にも、ジョコジョコの波紋攻撃はラインをとらえ、万事休す…。

「クックックッ、最終ラウンドだ!いくぞッ!『世界』(ザ・ワールド)、時よ止まれッ!」。ジョコジョコは第10ゲーム、サービス・フォー・ザ・チャンピオンシップ。しかし30-0からまたもや追いつかれる。なかなかすんなりとは勝たせてくれない。しかし、30-30からついにマッチポイント。最後は、今日の試合を象徴するかのようなきれいなショットが決まり、the・end。
「俺が時を止めた…3セットでな…そして脱出できた…やれやれだぜ…」
そして戦いを制したジョコジョコはコートに倒れこんだ…。

戦い終わった2人はさわやかな握手を交わした。
「悔いはない…心からお前の成長が見れて良かったと思うよ。俺はお前に出逢うために15ヶ月もさまよってたのかも知れぬ」。
「あんたの名前を聞かせてくれ…」「ノバク・ジョコビッチ!」
「ジョコビッチ…この俺のラケットに刻んであるこの言葉をお前に捧げよう!」彫られていた言葉は『LUCK!(幸運を)』。「そして君の未来へこれを持って行けッ!」

AMS初タイトル獲得をマイアミ大会史上最年少で成し遂げたジョコジョコは、喜びを爆発させる。ラケットを投げ、ウェアを投げ、そして両親、コーチと堅く抱き合う。
「最高に『ハイ!』ってやつだアアアアアハハハハハハーッ!」。



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女王の美学
2007年04月01日 (日) | 編集 |
優勝おめでとう

さくらじゃありません

Serena Williams

@Yahoo!sports

女子 決勝

⑬Serena Williams(USA) 0-6 7-5 6-3 ②Justine Henin(BEL)

…すごい写真だ…(^^;)セレナの写真ってインパクトあるねえ~。おもしろ~。ついつい使ってしまう。いやーそれにしても、すごい試合でしたね。といっても中継を見られたわけではないのだが。最初の0-6って…。

セレナが1つゲームをとるのに、実に39分かかりました。第1セットのセレナは、マリアちゃんや他の選手と戦ったときの力強いストロークは影をひそめ、エナンの多彩な攻撃にバランスを失い、もがき苦しむ時間帯でした。ミスの数は増える一方、イライラは募り、ラケットを放り投げ、声を上げて自分に苛立つ。今週初めてといってもいいセレナの苦悩する姿でした。それだけ、エナンの充実度がすばらしかった、ということでしょう。

「こんなに早く負けたくない。せめて1時間はつづけなきゃ」。
もっと自分はできるはず、もっとエラーを少なくして、プレーのレベルを上げなくては。もがくセレナを救ったのはお客さんの声でした。その中にはNBAのマイアミヒートのガードを務めるDwyane Wadeの声もあった。…てことはこの人はセレナのボーイフレンド、なのか?よく知らないが。ただの友達なら家族席には座らんしな…。

「私がミスをしたとき、会場全体が、”あぁ~ぁ~”とため息をつく声が聴こえた。お客さん全体が、ひとつのボールの行方にひきこまれ、熱中しているようだった。それはすばらしい瞬間だった。あぁなんて楽しいのかしら、と思ったわ。そして戦い続けることができた」。

そして1-1から先にブレイクを奪うものの、エナンにブレイクバックされてまたもやリードされてしまう。そしてエナンのサービス・フォー・ザ・マッチ。このリーチをかけたときのサービスゲームってのが…曲者なんだよな…しかしエナンは順調にポイントを重ね、40-15、2つマッチポイント!

実はこのへんスコアを何気なく見ていたんだけど、もうここまで見て「あーエナンの優勝かあ」と思って画面を閉じてしまいました(笑)。そして少し時間がたって、「どりどり」とエナンの優勝シーンでもみよかね、と画面を開くと…まだやってる!しかもセレナが2セット目とってファイナルセット3-0!?ぎょえぇ~っ。まじでびっくりした(^^;)

いやはや、セレナがあの2つのマッチポイントをひっくり返すとはね…そしてエナンは転んでしまって足をすりむいてしまいました。捻ったとかそういうのじゃなさそう?しかしその後6ポイント連続で失ったエナン。そしてつかみかけた勝利ももはや遠くへ行ってしまったかに思われました。セレナがファイナル3-0になったときも、1分以上コートに座り込んだまま、いつリタイアするかを決めかねているように見えた、とのこと…。

しかしエナンは立ち上がりました。そしてこちらも逆境に強いエナン、それから3-3に追いついちゃった!ぎょえ~。しかし、そこからセレナが2ゲーム連取して5-3、今度はセレナがサービス・フォー・ザ・マッチ。しかし…やっぱり曲者のこのリーチしてのサービスゲーム、ここでエナンが0-40と追いつく大チャンス!どこまで粘るんだこの2人は…

しかしやはり今日はあの1セット目にあのマッチポイントを2本逃れたセレナの粘りが上だったということでしょうか。最後はそこから一気に5ポイント連取、マッチポイントも1回で決めました。最後は得意のサーブがバックサイドぎりぎりに入り、決まった瞬間は判定に戸惑っていたようなセレナでしたが、優勝を確信すると、破顔一笑(^^)、いままでの苦しみを一気にかき消すようなすばらしい笑顔で勝利をの喜びを表しました。

「彼女はファイターよ」。あと一歩で勝利を逃したエナンが今回は潔く敗北宣言です。「セレナ相手に試合を勝利で終わらせるのは、本当にタフなこと。彼女はあきらめないから。セレナは本当にチャンピオンにふさわしい人物であり、そこが他の選手と大きく違うところなのです」。

そのチャンピオンのセレナ。「劣勢でうまくいっていないときは、私の中のもう一人がよくなるのよ。チャンピオンになる人はみんなそういうところを持っているものだと思う」。


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ビッグネームに勝った自信の強さ
2007年04月01日 (日) | 編集 |
今日から4月。新しい生活のスタートですね。…といっても私は何も変わらないのだが(^^;)。そういえばテンプレをこの小粋空間さんのバージョンに変えてからちょうど1年経ちました。飽きのこないシンプルなこのデザインはやはりいいですのう。カラフルなやつとかにときどき目移りしちゃうこともありますが、機能的にやはり見やすいし使いやすいのでしばらくはこれのままでいこうと思います。

女子の決勝ももう終わってしまいましたが、それはまた後でゆっくりと。とりあえず決勝までにこれを書いとかないと…時間ねぇ~。

準決勝

Guillermo Canas(ARG) 7-5 6-2 ⑦Ivan Ljubicic(CRO)

ルビチッチ敗れたり…残念!さすがカニャス、今回はIWの二の鉄を踏みませんでしたね。この日もルビチッチに序盤は厳しい戦いをしながらも、最後は粘り勝ち、という感じもしますね。

特に大事なポイントでのプレーでカニャスが大きく上回りました。ブレイクチャンスは、ルビチッチは7回あったのに1回も決められませんでした。一方のカニャスは、3回のチャンスをすべて成功。それが、そのままスコアの差につながりました。

ルビチッチは後半特にミスが多かったですね。ていうか、カニャスのボールがセンターにいつも返って来て、角度をつけて打つのが難しかった、と。エラーは12だったカニャスに対して、ルビチッチは27。
「彼はいつもコートの真ん中付近にボールを返してくるから、いつも自分から展開しなければならなかった。風の強いここでは、それはとても難しかった。こういう条件は彼のスタイルにマッチしていた」。

自分から展開するのは理想的なパターンのように思われるけど、センターへ返ってきたボールの処理は、意外に難しい。角度がある程度ついていると、自分も角度をつけやすい。

カニャスにはラッキーな部分もありました。第11ゲームのカニャスのブレイクチャンスでは、ロブを打ったと前に走らされて、やっと届いたボールがおそらく狙ったわけではないでしょうが見事にラインをとらえてエース。それがブレイクにつながりました。

もちろん今大会を含め2大会連続で王者ロジェ君を倒したということがより衝撃的なカニャスですが、それ以降の2試合の戦いぶりも、すばらしいものです。

前回のIWのときは、史上最強とうたわれ、連続No.1の記録も塗り替えて連勝記録まい進中だった王者を久し振りに他の選手が倒したということで、カニャスは大きく騒がれました。そのことによって自分自身もちょっとびっくりしてしまった、ということです。

「前回のときは、あらゆる人が僕にインタビューしてきた。すばらしいことだったけど、ちょっと面食らってしまった」。そして次の試合に対する集中力をやや欠いてしまった面があった。

しかし、人間は学習する動物です。カニャスは、今回は違いました。
「2回目も、すごくうれしい。でも今度は、大会に集中しようと思った。勝ち進みたかった」。それが、前回との成績の大きな違いを生みました。現トップ10選手のロブレド君相手にも、充実したプレーを持続することができました。

カニャスは2005年の全仏でベスト8に入った直後に、その年のアカプルコの際に服用した薬から禁止薬物が検出されて、およそ2年間の出場停止を言い渡されました。その薬は、風邪症状を訴えていたカニャスに対してATPのオフィシャルから手渡されたものだと、カニャスは主張。そして処分は不当だとしてスポーツ裁判所に提訴します。しかし決定が覆ることはありませんでした。

「僕は完全に正しいことをした。ただ、医者からもらった薬の中身を確かめることをしなかったことが唯一のミスだった」。

2006年の5月に、出場停止処分が15ヶ月に短縮され、去年の秋からチャレンジャーの大会で復帰。処分前は最高ランキング8位まで上り詰めていたカニャスの順位は、134位にまで下がっていました。

ブエノスアイレスで生まれ育ったカニャスにとって、憧れの人はもちろん、同国の英雄、ビラス。ギジェルモという名前もおそらくビラスからつけられたものでしょう。ビラスが現役最後にグランドスラム優勝をオーストラリアで飾ったとき、カニャスは14才でした。

カニャスはアルゼンチン勢として始めてAMSタイトルを獲った選手です。そのAMSタイトルを獲得した2002年のトロントでは、当時はNo.1ではなかったもののロジャー・フェデラーを破っていました。しかしそれ以降2人の運命は大きく分かれることになる。ロジェ君はそのあとNo.1にのぼりつめて栄光と名声をほしいままにし、カニャスは、薬物疑惑で出場停止。

「この15ヶ月間は、つらかった」。しかし29才。まだ復活へのチャンスは残されている。カニャスは懸命に練習し、チャレンジャーでも優勝を飾り、今年に入っていよいよ本格的にATPツアーに復帰。2月のブラジル大会では決勝でフェレロを破って、見事復帰後ATP初優勝を決めました。

そして迎えたインディアンウェルズ。予選で敗れたもののラッキールーザーで本戦入りしたカニャスは、初戦勝って2回戦で王者ロジェ君と対戦。当時王者は41連勝中でした。あのAMSから全く違う道を歩んできた2人。そしてあのときと同じ結果になりました。大先輩の偉大な記録が破られるのを、自らの手で阻止することにも成功しました。ビラスもさぞかし喜んでいることでしょう。

試合が終わって握手を交わした2人でしたが、その後も舌戦が続きました。出場停止明けの選手にワイルドカードを与えるのをよしとするのかするべきではないのか、選手会長のルビチッチと当事者のカニャスは真っ向から対決します。
ルビチッチは言いました。「僕らをだましたわけだから、そんな彼らを助けるわけにはいかない。それだけのことさ」。
カニャス「ルビチッチには賛成できない。出場停止処分を受けて、これ以上どんな罰を受けなくてはならないのか」。

カニャスはIWのときもラッキールーザーで本戦入りしたのでした。そしてこのマイアミでも、WCはもらえず予選から戦っていました。

故意に薬を飲んだのなら仕方ないけど、カニャスの場合はATPの人から手渡されたものを服用したわけだから、不可抗力なんじゃないかな。ルビの意見は、カニャスに対しては厳しすぎるもののようにも思えますが。もちろんカニャスのいうことはあくまで彼が主張しているだけで証明されているわけではないけれど。しかし私はカニャスの言葉を信じたい。
ルビチッチは、選手会長としての責任と、例外は許してはいけないという厳しい気持ちでそう言っているのかもしれないね。人の上にたつ人は、ときに憎まれ役にならなければいけないときもある。言いにくいことをずばり言うことのできる人は、少ない。


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明日は明日の風が吹く
2007年03月31日 (土) | 編集 |
準決勝

②Justine Henin(BEL) 6-2 6-3 ⑨Anna Chakvetadze(RUS)

エナン、決勝進出!いよいよトップ10に入ろうかという売り出し中のチェクベタゼだけに、今回はエナンも苦しむのでは…と思っていたら。エナンが圧倒したようですね。チェクベタゼは技巧派プレーヤーとしての評価が高く、今日もいろいろ仕掛けていたようですが、ことごとく裏目に出てしまったようです。

「彼女はミスが多かった」。「私は彼女が嫌がるようなプレーをしようと考えた。そして返ってきたボールへの対処もできた。スライスをたくさん使うようにしたのよ」。
若い20歳を余裕で受け止めていたようですね、エナン。やはりこのあたりは、エナンの女王としての風格を感じます。

ところで、エナンはこれが実にキャリア初めてのマイアミ決勝進出。この大会は、今まで最高でも準々決勝までしかすすんでいなかった、とか。へえ。意外です。どうやらこのキービスケーンという島特有の風の多い気候があまり好きでないらしい。それと、お母さんの命日があるので、3月はあまり充実できない、んだそうな。

しかし今年は、これで見事に決勝進出。
「私にとってこれはチャレンジなのよ」。と語るエナン。
「私は今を生きている。過去は関係ない。今この瞬間をもっと楽しまなくちゃ。そして先のことばかり考えたりせず、過去のことも忘れるようにしたい」。

口には出さずとも、その言葉の伏線にはピエールとの離婚のことがあるのは、明らかです。この4ヶ月の間にエナンの身に起こったことは、お母さんの死に次いで辛い出来事でした。

エナンは家族の愛情に恵まれない運命を背負っているのでしょうか。父や兄との対立は修復されることはなく、そしてやさしかった大好きなお母さんは12才のときに天国へ旅立ってしまった。その5年後に、エナンは家を出たのでした。それ以降父や兄とは一切連絡をとっていない、と。亀裂の理由は明らかにはしていません。

そしてピエールと出会い、4年間愛をはぐくみ、2002年に結婚。式に出席したのは、2人のおばさんだけ。父や兄、祖父、叔父、などは一切呼びませんでした。

やっと幸せをつかんだかに思えたエナンでしたが、1年も経たないうちに、ピエールが妻の影となって生きることを受け入れられなくなり始めます。不仲説はときおり流れていましたが、エナンは、1月の離婚まで、決してプライベートなことを語ろうとはしませんでした。

内向的で、人見知りする性格のエナン。同じ国の同じトップスターで、その開放的な性格と明るい笑顔で多くの人から親しまれているキムの存在が、自分の殻を強く守るエナンの姿をより影の深いものにしてしまう。

「自分のプライベートはあくまで守りたい」とエナンは決して譲りません。「いろんなことを知りたがる人はいるけど、これは私の人生、それは尊重してもらわなくては。私にだって、プライベートを守る権利はある。もちろん自分が一般の人と違う公的な人間であるということは、ちゃんと認識している」。

「テニスのことについては語るけど、いったんテニスを離れれば私の人生は個人的なもので、私の中にしまっておきたい。秘密の花園として。それを、テニスプレーヤーだからといって公開しなければいけないのかしら?テニス選手である以前に、私はひとりの人間よ」。

決して胸中を語ろうとしないエナン。しかし押さえ込んだ胸の内の悲しみは計り知れない。あふれる思いが、途切れ途切れに言葉となって出てくる瞬間がある。

家族の愛に恵まれなかったエナンはピエールとの愛を守ろうと必死で努力します。モンテカルロに新婚当時家を構えたのもそのひとつでした。
「いろんな理由があったけど、大きな理由は、普通の生活がしたかったから、あそこを選んだのよ。私には静寂が必要だった。もちろん人は私に気づくけども、誰も私を悩ませることもないし、私の生活に関心を持たない。他の人と同じようにレストランへ行ったり映画を見に行ったりすることができた」。

よくナダル君が、故郷のマヨルカ島では自分は普通の人間として扱ってくれるし特別扱いされないからうれしい、と言っていますね。エナンもそういう場所を求めたのでしょう。しかし最終的には、2人のほころびの原因は他のところにあった。

「ピエールとの別れは彼女の心に大きな穴を開けることになるでしょう」と心配するのは、ベルギーで最初にトップ10入りしたMonamiさん。個人的にもエナンと親交があるという彼女は、2人のキャリアが違いすぎたことが不幸だったと、語る。
「どんなカップルにもバランスが必要なのです。2人はあまりにもアンバランス過ぎた。ピエールは役割をもらえなかった。彼女の周りの人間が彼にそれを与えようとしたけど、うまく機能しなかった。彼は夫としての存在以外なにもなく、役目といったらエナンに水を持っていくことくらいしかなかった」。

トップ選手として活躍する女房を遠くに見つめているしかなかったピエール。しかし彼も最初は努力した。テニスの指導をしたり、飛行機の操縦を学ぼうとしたり。でも居場所を見つけることはできませんでした。「彼は自分自身の人生を、見つけられなかったのよ」。

ステパネクは言っていた。「互いの成績やキャリアが違うとうまくいかなくなるという人がいるけど、僕らは違う」。
しかし、エナンとピエールは、そうではなかった。一般人と有名人のカップル。それが女性が有名人であった場合は、男としてのプライドを守り続けるのは、難しいのかもしれない。

何も語らずツアーに戻ってきたエナンは、雑念を振り払うかのように一心不乱に戦い続けます。復帰戦のパリでは敗れたものの、ドーハ、ドバイで連続優勝し、Double Gulf達成。そして不得意だったこのマイアミでも、勝ち続けています。

よく、仕事に打ち込んで辛いことを忘れようとする、ということはある。しかし今のエナンはそれを真っ向から否定します。
「私はテニスを何かを忘れるための道具として使ったりは決してしない」。
「私はテニスが大好き、だからコートから長く離れていたくないのよ。今まで20年近くやってきたんだから。そしてこれからも、あと少し」。


時の流れは心の傷を癒してくれる。「少し立ち直ってきたように思う」と語るエナン。
「ひとつずつ乗り越えていかなくてはね。それには時間がかかるものだと思う。人生で辛い時期だったけど、たくましくカムバックしたいと思う」。

エナンが今何を考えているか、愛を失ったショックからどう立ち直っていくのか。それはエナン自身の問題であり、周りがどう言っても仕方のないことかもしれません。私はただエナンがコートで叫び、走り、勝利して涙するのを見てうれしく思うだけ。でも、人間の心と体はつながっている。エナンがこの局面を乗り越えて、人間的にまた一回り強くなって、それをコートで見せてくれる、それを楽しみに待っていたい。ローランギャロスで、きっと見せてくれるよね。

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セレナの強さの裏にあるものは
2007年03月30日 (金) | 編集 |
毎日相変わらずキービスケーンは人がいっぱい入ってますねー。平日というのに。…仕事しろ!独り言

準々決勝

⑬Serena Williams(USA) 6-1 6-4 ⑧Nicole Vaidisova(CZE)

セレナ、強い強い。前の日にマリアちゃんを破った勢いそのままに、この日の準々決勝ではニコちゃん6号まで撃破。

第1セットは圧倒しましたが、第2セットはややニコちゃんの抵抗にあったようですね。3-4、0-40とセレナはやや不利な状況になりましたが、今のセレナにはそのくらいのビハインドは全く問題なし、ということか。そこから14ポイント中13をとって一気に逆転、試合も決めてしまいました。

しっかし、すごいなー。全豪の活躍はフロックじゃなかったのね。もちろんまだ優勝したわけではないけども。でも、全豪のときも準決勝までは結構危ない場面もあったし、崩れそうになったときもあったし、あの決勝のプレーがそのまま続くとは思えなかった。しかし、それ以来の大会となるこのマイアミで、持続してますね。

ところで、セレナに関してひとつ話題になっていることが、ありますね。3回戦のサファロバ戦で、観客席にいたおやじが人種差別的な発言をして、つまみだされた、という例の一件。

月曜の午後で人も少なくわりあい静かだったため、その男性の発した言葉はコートにいたセレナにもはっきりと聞き取ることが出来たそうです。
N○○○○、という差別用語を聞いたセレナは、「ショックだった。自分の耳が信じられなかった。あのポイントではダブルフォルトをしてしまったように思う」。動揺は隠せませんでした。

「コンプトンでは車から発砲されたこともある。」
「だからこういうことが起こる可能性は父からよく言い聞かせられていたけれど、それでも我慢ができなかった」。

そしてこのおやじは、「オレはそんなこと言ってないよ~」としらばっくれてます。「ただ彼女がボールに対して反応が遅いから、怠けるな、みたいなことを言っただけで、差別発言はしていない」と。まあでも目撃者が多数いたのだから、間違いないでしょう。どこの世界にもいますね、こういう奴。

そういえばセレナは姉か妹かが銃弾に倒れて命を落としています。普段強気なことをよく口走るセレナだけども、黒人として背負わなければならないことが、たくさんある。タイガーウッズなども、今では認められているけど活躍しだした当時は人種差別的なことを言われていたことがありました。アメリカはまだまだ人種差別が根強い地域もあると聞く。WTAは今回のことを重く受け止めているようですが。

かつてはテニスは金持ち階級の特別なスポーツだった。今でもまあそういう部分はあるか。アーサー・アッシュが黒人として初めて成功してからだんだん黒人選手も増えてきたけども。アーサー・アッシュのころはもっと人種差別が激しかったのではなかろうか。今はその頃よりは少しはましになっていると思うけど。どうなのかな。私たち日本人にはこういうアメリカの人種差別はちょっと縁遠い話だけど、音楽や映画の世界ではまだまだそういうテーマがクローズアップされる部分もあるし、セレナやビーナス、それ以外の黒人選手たちも、常にそういうことを背負って生きている。そういうところが、強さにつながっているところもあるだろうね。

⑭Shahar Peer(ISR) 6-0 6-3 (24) Tathiana Garbin(ITA)

そして準決勝でセレナと当たるのは、イスラエルのペール。こちらも強い。インディアンウェルズは優勝したハンチュコワにあと一歩で破れました。そして今大会も、活躍してますねー。

セレナとペールは対戦成績がセレナの2勝0敗。記憶に新しいのは2ヶ月前の全豪準々決勝。フルセットになって6-6までもつれたんだっけ。途中はペールが勝利まであと2ポイント、という場面がありましたが、セレナがなんとか粘って逆転勝ち。あの試合はすさまじかったなー。今回はどうなるのか、結構マリア戦よかずっと競る展開になるかもしれない。楽しみですね。


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