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倒叙法ミステリのおもしろさ
2006年01月04日 (水) | 編集 |
あーおもしろかった。見ました?今夜の「古畑任三郎」。なかなかおもしろかったけど、ひとつだけちょっと気になるとこがあったなあ。あの「手毬歌」って…ありゃ完全に金田一耕助の「悪魔の手毬唄」のパクリでしょ(笑)。しかもその唄がかなりしょぼい(笑)。最初のアヘアヘ~っていうのはフジテレビらしくて別にいいんだけど、肝心の歌の内容がちょっとねえ。あんなとってつけたような唄なんて誰も殺人に結びつけようとは思わんぞ(笑)。もうちょっとましな唄にして欲しかったよ。それに、唄になぞらえるんなら、2番目のおじさんの死はどうなるんだ?あれは完全に事故で片付いちゃってたけど、唄に結びつけるんなら完璧にやってくれなくちゃ。物語の構成を考えるとあの唄は余計だったような気がするなあ。

「悪魔の手毬唄」で事件を解決した金田一の役をした石坂浩二が今夜の古畑に出てたっていうのはなんだかおもしろかったけど。石坂さんも思ってたかもしんないよ、「俺がやった金田一のほうがおもしろいな」なんてね。どう考えてもあっちのほうがリアルだし、殺人と唄の結びつけかたもうまい。さすがの三谷さんでも横溝正史と張り合うのはちょっと早いんじゃないかなあ?なんちて。いや三谷さんの作品は基本的に好きです(笑)。

でもそれ以外はなかなかおもしろい内容でした。倒叙法としてはちょっと反則スレスレのどんでんがえしもあったし。新しいタイプでしたね。刑事コロンボにもああいうのあったっけ…。確かにあれは古畑が言うように正真正銘の「完全犯罪」でしたなあ。でも最後に犯人は捕まりますが。そしてヒントになるものもあった。ひとつは、番組の一番最初の、物語が始まるよりもっと前の番組のタイトルバック。どうして兄貴を殺した藤原竜也くんだけじゃなく石坂浩二の名前もクレジットされていたのか。それを考えれば古畑に教えてもらう前には真相が見えてくる。でも、それ以外でも、もうひとつ物語の序盤でヒントになる場面があった。そこを見たとき、「あれ?この人はどうしてこんな行動をとるのだ?」と最初は気のせいかと思ったが、やっぱり気のせいじゃなかった。それを言うとネタばれになるので、録画してまだ見ていない人のために黙っておきますが(笑)。明日はいよいよマリナーズのイチローが犯人役で登場しますねー。なかなか楽しみである。

ミステリにもいろんな形態がある。いわゆる「本格推理」というやつは、謎解きが主題であり探偵と一緒に犯人を探していく、というやり方。ホームズやポアロ、日本でいえば十津川警部…ん~十津川警部はちょっと本格推理とはいえないかもしれないが、まあ探偵の視点で一緒に犯人をさがしていく、という意味ではこっちの部類ですな。(ちなみにテレビではいろんな人が十津川警部をやるけど、私は渡瀬恒彦さん以外の役者は十津川警部として認めていない(笑)。そして亀井刑事は伊東四朗さんね。この2人じゃない十津川警部のドラマは絶対見ない。これ完璧に余談)

そしてそれと全く逆の形態をとるミステリというのが存在する。「倒叙法」と言われるものである。「倒叙」というのは時間を現在から過去にさかのぼるという意味であるが、ミステリの世界で「倒叙」といっても別に過去を回想するわけでもなく、時間の流れが逆になるわけでもない。逆なのは、「視点」である。従来の「探偵と一緒に」事件を見つめていくのではなく、それが全く逆転して「犯人と一緒に」事件を見ていくのである。だから最初に犯人による綿密な計画がたてられて(衝動的なものもあるけど)犯行が実行され、そして探偵役が登場していって事件を解決していく。視聴者が犯人の目線になって物語りが進行する。

最初に犯人がわかっちゃあつまんないじゃん、て思うそこのあなた、そりゃかなり損な考えですよ。倒叙法は実におもしろい。最初にこのスタイルを考えた人はすごいと思う。バレないように完璧に仕組まれた殺人事件、それを後からやってきた探偵(刑事)がどうやって解決していくのか。完全犯罪に思われた殺人でも必ずどこかに隙がある。ほんのわずかな手がかりからひもを手繰り寄せるように真相に近づいていく名探偵にじわじわと追い詰められて、最後にとどめの動かぬ証拠をつきつけられる。あのじわじわ感がたまんないんだよねぇ~。

倒叙法についてくどくど書いたけども、実は一言で片付けられる。「刑事コロンボ」形式。古畑を見る日本人ならコロンボを知らない人はいないでしょう。うだつのあがらない風貌を装ったコロンボの半ば計画的な野暮ったい言動にだまされてほんの一瞬犯人がみせる本音の表情を決してコロンボ警部補は見逃さない。発想やわずかな手がかりを見つける目のつけどころが鋭いところも魅力だけど、コロンボの一番の魅力は、「油断させといて人の本性を見抜く」その人物観察力の見事さと私は思う。

まあね~、この私にコロンボのことを語らせたらちょっと大変だよ。いくら書いてもキリがない。だから今日のところはそこらへんは割愛するけども(笑)、とにかく私は刑事コロンボが大好き。だから古畑任三郎も見るのである。もちろん古畑もおもしろいけど、コロンボはもっとおもしろい。だいたい古畑任三郎自体が刑事コロンボに強く影響された三谷さんが書いたものなのだ。だから本家のほうが面白いのは当然なのである。古畑をみてコロンボを見てない人はいないと思うけど、もし見たことないという人がいたら、絶対に見たほうがいい!(笑)。以前よく金曜ロードショーであってましたね。最近はあまりやっていないようだが…でもスーパーチャンネルでずっと放送あってるから、スカパーやケーブルテレビに加入している人はぜひ一度ご覧になってください。

このブログのタイトルも、実はこの「刑事コロンボ」が由来になっているのだ。ずっと前にそのことについては記述したことがあるような気がするけども。それについて語るとまた長くなるので、それはまた次の機会に。
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コメント
この記事へのコメント
>れいこさん

こちらこそあけましておめでとうございますv-457今年もよろしくおねがいします!

おぉ島田荘司とはこれまた本格派ですねえ。「占星術殺人事件」は有名ですねー。謎解きでも倒叙でも社会派でも、ミステリって1回はまるとやめられませんね。

しかし普段テニスのことを語ってる方々でミステリーフリークがこんなにいらっしゃってうれしい限りです。これで調子にのって(笑)またいつかミステリネタをお送りしたいと思いますので、ぜひぜひお楽しみください。
2006/01/05(木) 19:42:16 | URL | さっち #-[ 編集]
ミステリー
(遅くなりましたが) ☆あけましておめでとうございます☆

早速ですが、ミステリーには私も興味があります。といっても横溝とか島田荘司を読んだことがある・・・程度なんですけど。(コロンボも意識してちゃんと見たことがない)

テニス&音楽だけでも大変でしょうけど、気が向いたらまたミステリーについて書いていただけたらうれしいです。

今年もどうぞよろしく!
2006/01/05(木) 05:01:46 | URL | れいこ #UzUiB0o2[ 編集]
今夜はイチロー
おお~テニス好きには結構ミステリ好きが多いのですね。何気なく書いたのにこんなに反応があるとはうれしい驚きです。

>asukamura2002さん

フォーサイスの「ジャッカルの日」は、なんとなく名前は聞いたことあるけど読んだことはないなあ…今度ぜひ読んでみることにします。読んだらまた感想書きますねー。

うだつのあがらないダサイ風貌といえば、フロスト警部や金田一耕助もそんな感じですね。そうかと思うと、ポアロみたいにぴしっとしているのもあるし。いろんな名探偵がいておもしろいですよねえ。そういう個性的なキャラクターもミステリの面白いところだと思います。

吉田日出子のあれはさすがにちょっと無理がありましたね(笑)。んで耳が遠くてマイペースで歌っててせかされるとこなんかも、「悪魔の手毬唄」そのまんまでしたね。
2006/01/04(水) 20:33:11 | URL | さっち #-[ 編集]
さっちさん、あけましておめでとうございます。今年もいろいろな情報、楽しみにしてます。

あやさんもミステリお好きなんですね~。実は私も好きで、さっちさんとおなじく「刑事コロンボ」大好きです。倒叙は面白いですよね~。最近でこそ読んでませんが、クロフツやクイーン、大好きでした。
昨日の古畑は完全に横溝正史をパロってましたよね?なんか舞台は「本陣殺人事件」みたいだったし。でもさすがに吉田日出子の98歳は無理がありましたね。

さっちさんはフォーサイスの「ジャッカルの日」を読まれたことはありますか?これはミステリではないんですけど掛け値なく面白いです。そこにやはり刑事(警部だったかも…)が出てくるんですが、その人物とコロンボが私どうしても重なってしまうんですよね~。なんかモデルにしたんじゃないかと思うくらい。まあ私個人の勝手な思い込みなんで「違う!」という人も多いと思いますが、そんなのに関係なくとにかく面白いですよ。まだ読まれてなかったらぜひ一度読んでみてください。
2006/01/04(水) 19:43:51 | URL | asukamura2002 #-[ 編集]
ミステリはおもしろい
>あやさん

なかなか本格派ですねえー。エラリークイーンは私もずっと前に何冊か読んだことありますが、「これでぜんぶヒントは書いたよ。さー犯人だ~れだ?」て挑戦状を叩きつけられても、難しくてわかりませんね…。

そうか今日は女王蜂もあるんですね。しかし渡瀬恒彦さんの十津川警部同様、金田一耕助も映画の石坂浩二さんのバージョンが一番おもしろいので、あれ以外あまり見る気になりません…(まあ映画のほうがおもしろいのは当然なんでしょうが)

スーパーチャンネルは繰り返しコロンボ放送してますね。古畑が好きな人ならきっと気に入ると思います。

>clioclioさん

あけましておめでとうございます!こちらこそ今年もよろしくおねがいします。

そうなんですよ、あの、一旦退出してまたしつこく戻ってきて犯人がいやあな顔する場面が大好きなんです。小池さんの吹き替えも最高ですねー。急逝されてしまって惜しまれる存在です。私は映画はたいてい吹き替えじゃなく字幕でみますが、コロンボだけはたとえ字幕があっても吹き替えで見ると思います。

「ウチのかみさんがね」の原語は…私も知りません(笑)。たぶん普通に「My wife…」なんじゃないでしょうか…でも初期のころの作品は吹き替えも普通に、「ウチの女房は…」となってたんですよ。いつのまに「かみさん」に変わったのかわかりませんが、うまい訳ですよね。
2006/01/04(水) 19:09:53 | URL | さっち #-[ 編集]
ギモン
「ウチのカミさんがね」って原語ではなんて言ってるんだろう??
2006/01/04(水) 11:59:59 | URL | clioclio #-[ 編集]
明けまして
おめでとうございます.
今年もさっちさんの記事を楽しみにしています.
ボクもしょぼブログの更新をのんびりとがんばらずにやっていくつもりです.今年もよろしくお願いします.

>このブログのタイトルも、実はこの「刑事コロンボ」が由来になっているのだ。

そうか!「...ああ,最後にもう一つだけ」ってわけですねー.
ボクは小池朝雄バージョンが好きです.
2006/01/04(水) 11:58:49 | URL | clioclio #-[ 編集]
確かに
あの歌はしょぼいですよね。(苦笑)
「悪魔の手毬唄」は私の大好きなミステリーなので比べてしまいました。
でもそれ以外は見ごたえありましたね。途中まで藤原君だけだと思っていたけど...確かに完全犯罪、非常に面白かった。

わたしは「本格」派でホームズ、ポアロ、クイーン、カーにハマってました。...古典ですね.

倒叙法.....「刑事コロンボ」なじみないんです(汗)興味はあったんですがブームのとき通り過ぎてしまいました。
さっちさんのブログタイトルはコロンボに由来していたんですね~
スーパーチャンネル契約しようかな?

今日の古畑もイチローが犯人役なので今からワクワクですが、横溝正史も好きなので稲垣吾郎くんの「女王蜂」も楽しみです。
2006/01/04(水) 11:14:41 | URL | あや #bBmFigmc[ 編集]
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