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羨望・嫉妬・欲望・陥穽
2006年03月02日 (木) | 編集 |
去年トップ選手の中で2人の薬物使用による出場停止者を出した男子テニス界。その流れは今年になってもまだ続いている。

昨年9月のデビスカップ準決勝で、母国スロバキアの決勝進出に貢献したカロル・ベック。その準決勝の試合の後に尿からステロイドの一種であるクレンブテロールが検出されたことを受けて、先月13日に、ITFから2年間の出場停止とランキングポイントの剥奪処分がベックに下された。

ベックは当然のごとく薬物服用の意図はなかったと涙ながらに抗議しスポーツ裁判所に訴える構えをみせているが、その声明の中で気になることを言っていた。

ベックの体内に誤って薬物が入った経緯は2つ考えられるという。1つは、母親が飲んでいた喘息の薬を間違えて服用してしまった可能性。これは先のプエルタ君と同じパターン。しかし、この可能性はあくまで「少ない」とし、もう1つの可能性が極めて高いとベックは公言している。

その経緯とは。

「ブラチスラバのテニスサークルのメンバーと夜クラブに行った。」そこで、彼の飲み物に何者かが薬を混入した、とベックは語る。

「こんなことが起きたなんて信じたくはないけど、誰がやったのか目星はついてる」。

もちろんこれは現時点ではベックが主張しているだけの話であり、根拠はどこにもない。ベックの自作自演という可能性だってまだ否定できない。そこらへんは、スロバキアの警察に捜査を依頼しているということらしいので、それを待つしかない。

しかし、このベックの話を裏付けるかのごとき、まさに似たような事件が、すでに2年前にフランスのジュニアテニス界で現実に起こってしまっていた。しかもベックの場合よりずっと卑劣で悪質極まりないものである。

46才のChristophe Fauviauは、ある男性への薬物投与による過失致死の容疑で、フランスの法廷に立った。

彼には15才になるValentineという娘がいる。彼女はフランスジュニアテニス界のスターである。父親は、対戦相手に対して薬物を盛るという恥ずべき行動を2002年から2003年にかけて27回繰り返し、告発された。

検察側の主張によると、このChristopneは、娘Valentineの対戦相手に対して21回、息子のMaximeの相手に対して6回、計27回、抗不安剤のTemestaを使って相手に眠気を引きおこしたとされている。

2003年の7月、息子のMaximeは、25才の教師、Alexandre Lagardere相手に勝利した。Lagardereは試合後に倦怠感を訴え、2時間の睡眠をとった。

そして車で帰宅途中に事故を起こして死亡した。警察は、Lagardereの居眠り運転が原因だと結論づけた。そして死後の薬物検査で、微量ながらTemestaが血液から検出された…。

ことが発覚したのは、ある小さなテニス大会でのこと。Maxime Fauviauと対戦することになっていたある選手が、試合前、自分の飲み物に彼の父親が何かを混入しているのを目撃した。その選手はそのボトルを警察へ提出し、やはりTemestaが検出された。


元フランス空軍パイロットの教官だったというChristophe Fauviauは、その1か月後逮捕され、2003年の8月から裁判終了まで身柄を拘束されている。もし有罪が確定すれば、懲役20年の刑が下される。判決は3月10日だそうだ。


この父親、バカか?おおまぬけだな。そんなことをして子供のためになるとでも思っているのだろうか。バレなけりゃ何やってもいいと思っていたんだろうか。あの選手が目撃しなかったら、今もずっとやりつづけていたに違いない。被害にあった選手もかわいそうだが、この父親の娘と息子もいい迷惑だ。彼等の未来はもうめちゃくちゃ。誰からも相手にされないだろう。結局子供を不幸にしているだけにすぎない。何の為に子供にスポーツをやらせていたのだろうかか。勝って金もうけさせるためか。

読んでるだけで非常に気分が悪くなるあきれた話。しかし、これはテレビドラマでも小説でもない。純然たる現実世界の出来事である。世の中には、信じられないようなことがたくさんある。常識では考えられないようなことをする人が、呆れるようなバカげた行動をとる人が、どんな社会にも必ずいる。


ベックは涙ながらの会見の中でこう言っていた。「誰かが意図的にやったのさ。僕には理由がある。スロバキア人は嫉妬深いんだ」。


「人の不幸は蜜の味」「出る杭はうたれる」…誰かが成功すれば、それをよく思わない人は、必ずいる。うらやましいという気持ちが、妬みや嫉妬になり、場合によっては憎悪に発展することもある。誰だって一番になりたい。優越感を味わいたい。そして他人の失敗を望むようになる。決して珍しいことではない。私たちの日常にも非常によくある話だ。

望むだけならば何も罪はない。しかし、自らの手で陥れるとなると、これはまた話が違う。そうならないようにほとんどの人は「理性」というブレーキがかかっているが、なんらかのきっかけでそのブレーキがきかなくなったとき…善悪など、もはや無力。「理性」を上回ったときの「感情」の力はおそろしい。

ベックの話やこのフランス人の話を読んでいると、必ずしも遠い世界の出来事だとは思えない。こういうことがおきてしまうのはとても悲しいことであるが、嫉妬やねたみ、優越感、支配欲というのは人間ならば誰でも持っている感情である。嫉妬をしたことがないという人はうそつきの偽善者だ。
自分だって、一歩間違えば、似たようなことをしてしまうかもしれないのだ。どんな人でもChristophe Fauviauになる要素を持っている。


ちなみに、もしベックの話が本当で薬物を混入した犯人が発覚して逮捕された場合、ベックの処分はどうなるのだろうか。当然、処分は取り消しになるはずだよね…。

こういうことは世の中からなくならないだろう。テニスだけじゃなく、どのスポーツでも、そしてどんな社会でも。せめて、自分がこういうことに巻き込まれないように、いつも周りの出来事に気を配って、隙を作らないようにしていなければならない。そして、何よりも大切なのは、普段から感情をコントロールする術を身に付ける努力をするということだと思う。自分が加害者にならないように。


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