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パティー・シュニーダーの素顔
2005年07月24日 (日) | 編集 |
私は普段はほとんど男子選手の話ばっかりで、女子の話題はグランドスラムの結果以外ほとんど書くことはないのだが、先日例のボブ・ラーソンニュースを見ていてちょっと興味をひく話題があったのでここに載せてみた。

それは、パティ・シュニーダーと素敵な仲間たちのお話。

パティー・シュニーダーって、負けん気がすごく強くて、クルニコワと握手をするのを拒んだり、ピアースがげんかつぎでプレーに時間がかかるのに文句をいったり、なにかとけんか腰、こわ、という印象があった。実際ツアーでも彼女はあまり社交的なほうではなく、選手仲間や関係者の間でも彼女の人柄を詳しく知る人は意外に少ないらしい。

でも、真のシュニーダーはこんなに素敵な人だったんですね。

それは今週彼女が参戦しているシンシナティでの大会の準々決勝、シュニーダーがPeerと戦っているときのこと。ベースライン後方の客席に一組の夫婦が座って観戦していました。そのうちの男性のほう、Steve Nicholsさんは、目以外なにも何も動かさず、ずっとシュニーダーのほうを見つめていました。

それは、目以外動かすことができないからなのです。彼はALSという難病に冒されていて、体の筋肉が全く動かすことができません。-2つの目をのぞいて。

「目は口ほどにものを言う」といいますが、Nicholsさんの場合は、口どころじゃなく生活動作すべてが目から始まり、目で終わる。瞬きをすることで妻と会話をし、目でコンピュータもはじく。彼にとっては目が口にも手にも足にもなって、生活すべてを支えているのです。

そんなNicholsさんの両方の目は、大ファンのシュニーダーを目の前にして少々涙で曇ってみえにくかったかもしれません。

Nicholsさんは、1993年にALSと診断されました。ALSは、全身の筋肉が徐々に動かなくなっていってしまうという原因不明の難病。この病気にかかった人は、たいてい3~5年で亡くなってしまうといわれています。しかし、彼は12年間この病と闘って生き続けています。

「誰かがこのALSに打ち勝たなくちゃならない。その最初の一人がSteveであると、私は信じてるわ」奥さんのHeleneさんが言います。Steveさんと一緒に、奥さんもこの病気と闘っています。

そんな彼はシュニーダーの大ファン。97年以降ずっと彼女を応援しつづけています。Nicholsさんは目の動きを口の動きに変えてそして文字をタイプするという特殊なコンピュータを使っています。年間3から5試合彼女の試合を観戦するというNicholsさんですが、そうでないときでもインターネットのライブスコアで、時には夜中まで起きてシュニーダーの試合をチェックしているそうです。

彼は瞬きを通しての会話で奥さんの通訳を介して、なぜそんなに彼女が好きなのかを語ってくれました。「彼女は小さい、でもとてもパワーがある…試合になれば体の大きさなんて関係ないさ…彼女は情熱を身にまとっているんだから」。

そんなNicholsさん夫婦とシュニーダーが出会ったのは2002年。それ以来、常にシュニーダーは彼らのことを気にかけてきました。そして、今週行われているシンシナティの試合に彼らを招待したのです。

「素晴らしい人たちよ。」シュニーダーは言います。「困難な状況にも立ち向かう勇気を持っている2人をとても尊敬している。本当にすばらしい」。そして大好きな選手とのふれあいはSteveさんの闘病意欲を刺激していると、奥さんのHeleneさんは言います。シュニーダーは、今年の4月のアメリアアイランドでのダブルスのファイナルの後のスピーチで、観戦にきていた彼ら夫婦をマイクで紹介し褒め称えたそうです。

「あの瞬間はSteveの人生で一番のハイライトだわね」Heleneさんはそう語ります。

ヘレンさんは、ファンにもっとシュニーダーという人がどんなに素晴らしい人物かともっと知ってほしいと訴えかけます。「今の若い子のうちのどれだけが、自分と違う種類の人間に手を差し伸べようとしているかしら?」


私はALSという病気について人から聞いたことがある。なんでも、とにかく体中の筋肉が動かなくなっていく、恐ろしい病気なのだそうだ。それも、急激に完成するのではなく、徐々に、ちょっとずつ、進んでいく。つまり、今まで普通に歩けてたのが、歩きづらくなり、そして歩けなくなり、文字が書けなくなり、ものが食べれなくなり、しゃべれなくなり、…最後は瞬きすることもできなくなる。心筋が侵されるのかどうかはわからないが、もし心筋も侵されるのであれば心臓が止まって死に至るのだろうし、心筋は大丈夫だとしても、呼吸筋が動かなくなるから、息ができなくなって窒息死してしまう。もちろんそうなる前に人工呼吸器をつけて延命することは可能だと思われるが。今のところ特効薬などはないらしい。

しかも、体の筋肉以外は基本的にはどこも悪くないので、もちろん頭の中は今までと一緒。つまり、今と同じはっきりした精神状態で、体のありとあらゆる筋肉が徐々に動かなくなっていくのをただ黙って待っているしかない、というまさにこれ以上の生き地獄はないというくらいの恐ろしい病気なのである。そんな病気がこの世にあること自体が信じられない。しまいに話もできなくなり目もあけられなくなっても、頭の中では今と同じ、言うことは理解できるし(耳は聴こえる)、伝えたいこと、話したいことはたくさんあるのに、どうすることもできない。

でもSteveさんには眼筋という意思伝達手段が残っている。この眼筋を唯一の世の中との交信手段として使っているのである。なんといういばらの道であろうか。そしてそれを受け入れて闘っているというその精神力の強さ。そして試合にも観戦に訪れるというその行動力。テニス選手のメンタルが強いだの弱いだの、そんなことは、このような人たちを前にしたら大したことない話だというのがよくわかる。メンタルのレベルが全然違うのだ。

シュニーダーは言っています。「私のテニスでこういう人たちと心の触れ合いをもてるのは、とてもいいことだわ。私は人を幸せにするのが大好きよ」。

シュニーダーは、今日、優勝をかけて、日本の森上さんと戦います。


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コメント
この記事へのコメント
複雑ですね
塚越さんごぶさたしてます!新しいブログにも来ていただいて、大変光栄です。

シュニーダー、優勝したようですね。相手が森上さんっていうのがちょっと複雑ですが、でもこれでNicholsさんが喜んでいる姿を想像すると嬉しい気持ちになれます。

メールのご一件ですが、、ゆっくり検証して今夜にでも返信いたしたいと思っています。
2005/07/25(月) 08:03:56 | URL | さっち #-[ 編集]
良い話ですね。
最近の変わったなぁ~と思っていました。
強さもここから来ているように感じます。
この話紹介させてもらいました。
2005/07/24(日) 23:22:29 | URL | 塚越亘 #-[ 編集]
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